ウッドワンオープン広島で最多の9勝、ANAオープンで7勝、アンダーアーマーKBCオーガスタで3連覇を含む4勝など、数々の金字塔を打ち立ててきたジャンボ尾崎の例は別格としても、選手たちにはこちらが思っている以上に、それぞれ相性の良い大会やコース、またはゲンのよい土地といったものがあるようだ。
        
        10月のコカ・コーラ東海クラシックの星野英正がまさにそれだった。
        前回が、2003年の中日クラウンズ。名古屋ゴルフ倶楽部和合コースで涙、涙のツアー初優勝。
        
      
      
        
            相性は最悪!?と言いつつも2勝しているベストコンビ、星野英正(右)と花ケ崎光広
          
            そして待望の2勝目が、やはり愛知県の三好カントリー倶楽部だった。
            たまたまとはいえ、その不思議な縁には本人も思わず優勝インタビューで、「ここにはきっと何かある・・・。愛知県が、大好きです!」とのコメントを寄せている。
            
            そして、星野が驚いたのは土地との相性だけではなかった。
            さらに目をまん丸にしたのは、こんな偶然。
            
            その週、実に1年ぶりにタッグを組んだ花ケ崎光広さんは、初優勝でもバッグを担いでくれたプロキャディでもあったのだ。
            
            「今回は本当にたまったま。キャディがいなくて、きゅうきょ彼に頼んだんですよ。
            そしたら・・・」と、ことさらに絶句するのにも訳がある。
            
            実は、星野と花ケ崎さんとの実際の相性は「最悪の状態」というのだ。
            初優勝のときもそうだったのだが、風向きや番手選び、グリーンの読みなどことごとく意見が食い違う。
            「ほんとうに、よくこれで勝てたな、と思うくらい・・・」と苦笑いを浮かべたが、それでもそのコンビでこうして2つも勝つことができたのだから、プレー中の折り合いが悪いからといって必ずしもダメというわけではないようである。
            
            「その人の持つ運てのもあるからね。・・・俺には俺の、あいつには、あいつの強烈な運があって、それがたまたま合致したというしかない」(星野)。
        縁は異なもの・・・とは良く言ったもので、それは男女の関係に限らず、選手とキャディにも当てはまりそうである。
        <ゴルフダイジェスト・オンラインのゴルフマガジンより抜粋>